【インタビューあり!】静岡の大井川電機、“幻のきのこ”はなびらたけ「ホホホタケ」輸出開始

自動車用電球メーカーの大井川電機、“幻のきのこ”はなびらたけ「ホホホタケ」の輸出開始

〜 創作料理やカフェでの採用、能登牡蠣とのセット販売も開始 〜

 

みんなの青果編集部からのコメント

豊洲市場といった卸売市場にも入荷をしているのがコチラの「ホホホタケ」。夜のニュース番組で紹介されるなど注目が高まっている商品。ただ一般的なスーパーでの取り扱いはまだそこまで多くないのかな?という印象を持っていたんですが毎月およそ400pをアジアに輸出が開始されたというニュースが発表されました。

「ホホホタケ」って言われてご存じない方もいると思います。元々青果業界では「はなびらたけ」という商品で呼んでいました。バター炒めとか美味しいんですけど、使いたいのは火鍋ですね。きのこ火鍋の具材の1つに使いたいきのこです。火鍋は元々アジアの食べ物。高品質な品が安定価格で供給されるのであれば喜ぶ方も多いのかもしれません。

この記事を作るのにあたり株式会社大井川電機製作所のきのこ部 広報担当 中川さんに電話インタビューをしてみました!

【質問】なんで新規事業に「はなびらたけ」を選んだんですか?

(中川さん)自動車産業の変化にともない、使う部品が少なくなる時代に入りました。もともと自動車向け電球を製造していた大井川電機では新規事業の展開についてたくさんのアイデアを出して検討していたんですが、そこで出たのが「はなびらたけ」でした。標高1000メートルの限られた環境でしか栽培できない「幻のきのこ」です。栽培の難しさから競合が少ないこのきのこで勝負しようと思ったのです。

【質問】栽培を開始していかがでしたか?

(中川さん)元々、自動車に使う電球を作っていた会社です。自動車というのは安全、命に直結する機械。大手メーカーの求める厳格な品質に応えてきた技術者達はこの栽培が難しいはなびらたけにぜひチャレンジしようとなりました。菌床づくりから初めたわけですが温度湿度の管理も難しいですし、横から生えてきちゃったり、花びらの先が変色したりとなかなか大変でした。研究を重ねて現在は高品質安定供給しております。

【質問】マーケットからの声はいかがですか?

(中川さん)農作物は天候に左右されて出荷が変動することがあります。もともと我々は工業メーカー。しかもホホホタケは屋内の工場で作っているので「天気が悪くて出荷できない」という概念はありません。なので取引先へ安定供給できることにご評価頂いています。

【インタビューを終えてみて編集部より】
そうか。プロジェクトXのような技術者の魂がホホホタケを産み出したんですね。しかも自動車に携わるメーカー。今までの農家さんとは違う切り口でのこだわりを感じました。同時にメーカーだからこその営業力もあるのではないでしょうか。良い商品作っても伝わらなければ売れませんからね。今度話をお聞きする際にはその辺りも伺ってみようと思います。

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自動車用電球を製造・販売する株式会社大井川電機製作所(本社:静岡県島田市、代表取締役社長:中河満(なかがわみつる)は、シンガポール、香港、マレーシアへ、同社が生産する“幻のキノコ”はなびらたけ「ホホホタケ」の輸出を開始しました。毎月計約400パックをアジア三か国に輸出を開始したもので、シンガポールでは日本料理店、マレーシアではフランス料理、香港では健康食材などの高級食材を取り扱う「City’super(シティ スーパー)」で、「ホホホタケ」が取り扱われ始めました。

今後も継続して、大井川電機では、その他のアジア諸国など海外への販路を拡大します。


【香港の「City’super」が販売する「ホホホタケ」】

自動車用電球の製造・販売の大井川電機が、新規事業として開始した「ホホホタケ」の生産、販売は2021年9月までに月間1万パックを生産・販売し、現在は約3万パックに増産、2022年度末までには約6万パックに拡大する見込みで、スーパー、料理店、カフェ、給食などでの採用が進んでいます。

静岡県島田市では、島田駅前の創作料理「C-2 HINODE」のコース料理に、カフェ「トロント・トロワカフェ」では「ホホホタケ」をメイントッピングにした「ホホホタケバーガー」を販売開始し、大手レストランチェーン店やコンビニなどでも「ホホホタケ」の販売を開始しています。

また、大井川電機では今季も、石川県穴水町岩車(あなみずまち いわぐるま)で能登牡蠣(のとかき)を生産・販売する河端水産と連携して、アヒージョやバーベキューをイメージした牡蠣と「ホホホタケ」の料理セット販売を開始しました。大井川電機では「ホホホタケ」の販売促進と認知拡大向上のため、国内外での営業やマーケティングを強化、コリコリした食感と出汁が魅力の「ホホホタケ」は和風・洋風など、様々な料理に合うことから、地方の特産品と連携したセット販売や、両者を組み合わせた料理を紹介し、両食材の魅力による相乗効果を狙います。

「ホホホタケ」と能登牡蠣のセット価格(税・送料込)は以下のとおりです。

<< 能登牡蠣と「ホホホタケ」のセットと販売URL >>
◆ 殻付き牡蠣(35個前後)+剥き身牡蠣500グラム(35個前後)はなびらたけ「ホホホタケ」(80グラム/1パック): 6,300円(剥き身牡蠣1キロセットは8,300円)
◆ 剥き身牡蠣1キロ+ホホホタケ 1パック: 4,500円
◆ 剥き身牡蠣1キロ+ホホホタケ 2パック: 5,800円
◆ 剥き身牡蠣2キロ+ホホホタケ 2パック: 8,900円
◆ 販売URL: https://inaka-backpacker.com/blog/ishikawa-noto-anamizu-iwaguruma-oyster/

【殻付き+剥き身牡蠣+「ホホホタケ」セット】

能登牡蠣とのセット販売は真牡蠣の旬が終了する2022年6月頃まで販売します。

なお、大井川電機では、2021年度から、正社員の定年退職を65歳まで延ばしました。これは、企業理念の一つ「人間尊重: 会社は人間の幸せのために行う経済共同体であり、社員は会社の財産であるとの認識のもと、両者の相互信頼と尊敬に基づく人間関係を大切に、共存共栄を希求する」や、「ホホホタケ」の「ホ」の想いの一つ「地域のホ: 雇用を生み出し地域の人を元気、笑顔にする」に基づいた取り組みです。

■ 株式会社大井川電機製作所について
1967年創業の大井川電機製作所は「社会貢献」「人間尊重」「継続企業」の3つを企業理念に事業を展開。電球製造を基本に、クリスマス球の製造から始まり、懐中電灯、自動車の小形電球の製造販売を開始し、照明部品で国内外の自動車産業を支えてきました。環境の変化に挑戦すべく、2020年、新たな事業として“幻のきのこ”はなびらたけの生産・販売を本格的に開始しました。従業員数:130人(2022年1月現在) (https://www.oigawa.com/
・はなびらたけ「ホホホタケ」について:  https://hohohotake.com/
・はなびらたけ「ホホホタケ」販売サイト: https://oigawa-kinoko.com/shop/shop.html

<< 参考資料: 大井川電機製作所のはなびらたけ「ホホホタケ」について >>
現在、大井川電機製作所の“はなびらたけ”「ホホホタケ」や「ホホホの子」は、静岡県内の「道の駅 掛川」、「JA三方原農協 土の市」、「KADODE OOIGAWA」、農家民宿食堂カフェ「coco-Rin(ココリン)」、割烹料理「ふじの」、フランス料理「三枝商店」、「大井川鐵道 川根温泉ホテル」、島田駅前の創作料理「C-2 HINODE」や、「ホホホタケバーガー」を販売するカフェ「トロント・トロワカフェ」、島田市内小中学校の給食、島田市のふるさと納税の返礼品などで、東京ではすき焼きの「浅草今半」、「ホテル椿山荘東京」などの一流料理店やホテル、その他、量販店などでも採用・販売されています。

総額2億円を投じ、2020年8月19日より稼働開始し、11月末から、はなびらたけの出荷を開始した新設の落合生産拠点(静岡県島田市)は、2015年から稼働開始した川根生産拠点の約10倍にあたる月間最大6万パック(80グラム/1パック)のはなびらたけの安定出荷が可能です。落合生産拠点(延面積1300㎡)は、はなびらたけの菌床生産設備、接種室、栽培室、収穫室、冷蔵庫などで構成されています。また、落合生産拠点新設や売上増を機に、2021年2月、はなびらたけを、大井川電機ならではの企業理念に合致したブランド名「ホホホタケ」に刷新、新たなホームページも開設し、ブランド戦略も強化しています。2025年までに売上高を10億円に引き上げ、中核事業に育てることを目指しています。

はなびらたけは標高1,000メートル以上の高山で生育し、採取することが困難なため「幻のきのこ」と呼ばれています。見た目は白い花びらのように華やかで、食感が優れ、きのこの中でも栄養素のベータグルカンが多く含まれ免疫機能を促進することから、料理人から高い評価を得ています。すき焼き、アヒージョ、炊き込みご飯、天ぷら、鍋、サラダなどの料理で使用されることが多いです。

昨今、車の電動化(EV)や自動運転など世界の自動車産業は急激に変化し、自動車のあらゆる部品が入れ替わるなど、部品を生産する下請け企業にも変革が求められています。

大井川電機では1967年の創業からこれまで、国内外の自動車メーカーに、ウィンカーやテールランプ用など、合計数十種類の照明用電球を月間約1千万個生産・販売し、現在までに市場に約50億個の電球を出荷、年間約20億円を売上げてきました。しかし、業界を取り巻く環境変化と自動車電球の発光ダイオード(LED)化に伴い、売上が減少傾向にあったため、自動車産業で長年培ってきた電球製造の厳格な品質管理と生産体制のノウハウを活かした新規事業への参入を検討し、2015年からはなびらたけの栽培方法の研究を開始しました。

大井川電機では、はなびらたけの温湿度管理、二酸化炭素濃度のコントロールなどの研究を重ね、2018年に独自の栽培ノウハウを確立、市場にはなびらたけを安定供給ができるような体制を整えました。

【自動車電球】

 

【大井川電機の落合生産拠点】

【「浅草今半」のすき焼き料理】

大井川電機では、自動車メーカーの厳しい品質管理基準に基づく監査のもと、品質、安全衛生、納期遵守を重視しながら、電球の生産管理を行ってきました。電球製造で培ったモノづくりのノウハウを活かし、厳しい製造・品質管理体制のもと、衛生・温湿度・手順・品質・発送など厳格管理基準を設け、安心安全なはなびらたけを生産、従来の農家のように天候や農作物の生育環境などに左右されることなく、一年を通じて出荷先への安定供給が可能です。そのため、市場、仲卸業者、食品スーパー、料亭などから高い評価を得ています。

2018年度に150万円だったはなびらたけの売上は、営業、マーケティング、ブランディング、広報を強化したことで、2020年度に2千万円弱まで伸び、2021年度の売上は3千万円を、2022年度で1億円の売上を目指します。

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