さつまいも新品種「ゆきこまち」発表!

【農研機構のプレスリリースより】

【みんなの青果ニュース】いままであまり見ることのなかった北日本のさつまいもができるかも??

 

みんなの青果編集部からのコメント

さつまいも。みんなの青果のニュース記事でもアクセスの多いのがさつまいもです。野菜の中でも特に人気が高いのではないでしょうか?

とは言え、大きな産地は鹿児島、宮崎、茨城、千葉の4つ。ここだけで7割なんですよね。他の産地もありますけど多くはない。特に涼しい地域で作られることがあまりなかったそうなんです。確かに暑いところの野菜って感じしますもんね。

この度、農研機構では「ゆきこまち」という新品種を開発。冷涼な地域でも栽培が可能になります。ホクホク系でサラサラっとした雪のような口溶けということが命名由来の一つにもなっているそうです。

たまにさつまいも少なくて高い時ありますからね。産地が増えることで高まる需要にもキチンと対応していけるのではないでしょうか。

今回農研機構、広報担当の方にお訊きしたところ、消費者に届くまではまだまだ時間がかかるそうです。そりゃそうですよね。品種を開発したって話なのでこれから特定の企業に種苗が行き渡り、農家さんが栽培するという話になります。目にするのが2022年なのか23年なのか分かりませんが、楽しみにして待ちましょう!見掛けたらこの記事を思い出してみて下さい。

ちなみに農研機構さんによるとさつまいもの関心の高さには驚くことばかりみたいです。「さつまいも愛」に圧倒されるんですって!おいしいですもんね、やっぱり。

農研機構配信のリリース

リリースはコチラ

プレスリリース
(研究成果) 冷涼な地域でも収量がとれるホクホクおいしいサツマイモ新品種「ゆきこまち」

– サツマイモの生産拡大のために –

情報公開日:2022年1月27日 (木曜日)

ポイント

農研機構は、収量が高く品質も良好で、かつ冷涼地でも収量が確保できるサツマイモ新品種「ゆきこまち」を開発しました。近年のサツマイモ需要増加と品不足の打開策として、これまでサツマイモの経済栽培が難しいとされた冷涼な地域での新たな産地形成に役立つことが期待できます。

概要

近年の焼き芋ブームを背景に、青果用のサツマイモの国内需要は伸びており、輸出も急拡大しています。しかし、我が国のサツマイモの栽培面積は病害虫の発生や生産者の高齢化もあって年々減少しています。

現在、国内の主要な産地は九州の鹿児島県、宮崎県、関東の茨城県、千葉県で、この4県で約7割を占めています。サツマイモは寒さに弱い作物なので、福島県あたりが経済栽培の北限とされてきましたが、近年は温暖化にともなう夏季の気温の上昇傾向もあり、これまでは栽培には不向きとされていた冷涼な地域において、栽培を行う動きが出てきました。しかし、冷涼な地域で栽培した場合には、これまでは品質の良いサツマイモを安定的に生産するのは困難でした。

そこで、農研機構では、従来の品種に比べて多収で、冷涼な地域でも栽培できる新品種「ゆきこまち」を開発しました。この品種を導入することで、北海道のような冷涼地においても新たな産地形成が可能となり、サツマイモの生産基盤の強化につながることが期待されます。

「ゆきこまち」の種苗は、農研機構との間で許諾契約を行った民間種苗会社等を通じて供給を行う予定です。

関連情報

予算:運営費交付金、イノベーション創出強化研究推進事業「地域ブランド強化のための高品質食用・加工用サツマイモ品種の開発」
品種登録出願番号:「第35403号」(2021年4月20日出願、2021年11月24日出願公表)

問い合わせ先
研究推進責任者 :
農研機構中日本農業研究センター所長中村 ゆり
研究担当者 :
温暖地野菜研究領域上級研究員田口和憲
広報担当者 :
研究推進室広報チーム長谷脇 浩子
TEL 029-838-8421

詳細情報

新品種育成の背景と経緯

サツマイモの需要は拡大傾向にありますが、既存産地においては生産者の高齢化と後継者不足により、今後栽培面積を拡大することは難しい状況です。一方で、近年はマルチ栽培技術の普及に加えて、夏季の積算気温1)が上昇傾向にあることから、これまで経済栽培が難しいとされてきた冷涼な地域での産地化の動きが出てきました。そこで、従来よりも幅広い地域でも栽培しやすいように、低温に強く、病害虫抵抗性でイモの肥大や形状等の見た目の美しさを兼ね備えた、高品質・良食味の多収サツマイモ新品種の育成に取り組みました。

新品種「ゆきこまち」の特徴

  • 「ゆきこまち」は、良食味で病害虫抵抗性に優れる「ひめあやか」を母、草姿がやや立ち型で蒸切干加工用の「関東134号」を父とする交配組合せから選抜してできた品種です(写真1)
  • 育成地(茨城県)での「ゆきこまち」の収量は、早掘栽培2)では「ベニアズマ」より5割程度、標準栽培では3割程度収量が多いです(表1、図1)
  • 既存産地である関東地域ならびに冷涼な地域である北海道でも「ベニアズマ」より収量が多いです(図2)
  • 「ゆきこまち」の肉質は”やや粉質”で繊維質が少なく、加熱調理するときめ細かい雪のような口どけが特徴です(写真2)。また、「ゆきこまち」の肉色は”淡黄”で加熱調理後の黒変が少ないです。
  • 「ゆきこまち」は、つる割病および黒斑病には”やや強”、サツマイモネコブセンチュウ3)および立枯病には”中”の複合病害虫抵抗性です。貯蔵性にも優れます。
  • つるの伸長が早いため、苗が伸びすぎないよう苗床の温度等の管理に注意が必要です。
  • 現在、南九州で深刻な問題になっているサツマイモ基腐病に対する抵抗性は不明ですので、既存の普及品種と同様の防除対策が必要です。

品種の名前の由来

「ゆきこまち」は、さらさらとした雪(ゆき)のような口どけで、上品な食感があり、日本各地に伝説を残す小野小町(おののこまち)のイメージにあやかり、冷涼地の雪国(ゆきぐに)でも美しく育ち、広域に普及することを願って名付けました。

今後の予定・期待

「ゆきこまち」はこれまではサツマイモの栽培適地でなかった冷涼地における栽培面積の拡大が可能であることから、サツマイモの供給不足解消への貢献が期待されます。今後、現在はサツマイモの栽培が盛んではない地域でも試作に挑戦いただけることを期待しています。また、既存産地では収量、品質ともに良好であるため、単収向上に貢献できます。

「ゆきこまち」の食感はやや粉質のホクホク系であり、繊維質が少なく上品な舌触りで、黒変も少ないため、加工用に適しています。家庭では、天ぷらやスイートポテトなど調理やお菓子作りに向いています。

原種苗の入手について

「ゆきこまち」の種苗は、農研機構との間で許諾契約を行った民間種苗会社等を通じて供給される予定です。「ゆきこまち」の種苗許諾契約は令和4年2月末まで受け付けを行います。本年度は、配布可能な数量に限りがあるため、先着順により受付を行い、配布可能な種芋がなくなり次第、〆切りより前に受付を終了させていただく場合もございます。

原種苗については、下記のメールフォームでお問い合わせください。
農研機構中農研HP 【取材のお申し込み・プレスリリースへのお問い合わせ(メールフォーム)】

利用許諾契約に関するお問い合わせ

下記のメールフォームでお問い合わせください。
農研機構HP【研究・品種についてのお問い合わせ】はこちら

なお、品種の利用については以下もご参照ください。
農研機構HP【品種の利用方法についてのお問い合わせ】はこちら

用語の解説
積算気温:
一定期間の日平均気温の合計値。北海道のサツマイモの生産では、定植から収穫までの概ね4か月程度における積算気温が2400°C以上確保できれば、安定的な収量確保が見込めます。
早掘栽培:
関東地域のサツマイモ栽培では、通常は5月上旬~6月中旬に植え付けて120~150日後の10月中旬から11月上中旬にかけて収穫しますが、早掘り栽培では4月下旬ごろから植え付けを開始し、100~120日となる8月上旬から9月上旬にかけて収穫します。
サツマイモネコブセンチュウ:
多くの作物の根に寄生し、根にこぶを作って作物の品質や収量を低下させる線虫(細い糸状の見た目をした線形動物)です。卵や体長約 0.4mm の幼虫の状態で土中に生息しています。サツマイモ栽培において経済被害が大きいですが、品種によって抵抗性に差があります。

[新品種「ゆきこまち」の特徴へ戻る]

参考図

写真1「ゆきこまち」の塊根(育成地:茨城県)
写真2「ゆきこまち」の焼き芋
口どけのよさが特徴のホクホク系です。
 

表1「ゆきこまち」の主な特性(2018年~2020年、育成地:茨城県)
図1育成地(茨城県)における収量(2018年~2020年平均;A:マルチ標準栽培、B:マルチ早堀栽培)
図2北海道(芽室町)における収量(2018年~2021年平均;マルチ標準栽培)
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